ハワイ州ホノルル市ロックダウン(都市封鎖) 1~3日目:いよいよ 

カーク・コールドウェル・ホノルル市長が、3月23日(日)の午後に、新型コロナウイルス感染拡大防止のために「Stay at Home, Work from Home Order(自宅待機、在宅勤務の行政命令)」を出しました。この行政命令は3月24日(月)16時30分から4月30日(木)までの施行となります。突然と言えば突然でしたが、ホノルルでは前週からテレワークを推奨する会社も多く、レストランでの食事はできない状況でしたので、住民が反対することもなく、移行にはそんなに問題はなかったように思います。もちろん、これからどうなるのかと不安はいっぱいです。

基本的には、不要不急の外出はできませんが、運動や食料品の買い出し、そして医療機関や銀行やレストラン(持ち帰りと宅配のみ、店での飲食不可)には行くことができるので、そんなに不便を感じることはないのではないかと思っています。

 

都市封鎖1日目:3月23日(月)

ホノルルは車社会です。ちょっとそこまで行くのも大抵車を使用しますが、ジムも休業となり、運動不足だったこともあり、友人とダウンタウンまで歩くことにしました。ちなみに、ダウンタウンまで歩くのは初めてです。

 

オリジナルのコーヒードリンクで有名なAliʻi Coffeeに初めて立ち寄りました。水出しコーヒーと蜂蜜と生姜、そしてクリームを使った「The Red Head」は、甘さ控えめのさっぱりしたドリンクで、2.5キロメートル程のウォーキングの後にはピッタリのドリンクでした。

 

その後、ダウンタウンで働く人御用達のお弁当屋さんGochi Grill(@gochigrill)で、お持ち帰り用のキムチとカルビのお粥を買いました。2.5キロメートルを歩いて帰らなくてはいけないこともあったので、小さいお粥にしたのですが、家に帰ってから大きいのを買えばよかったと大後悔! カルビもたっぷりで、辛すぎないちょうどいいスパイシーな美味しいお粥でした。

会計士から2019年の確定申告の書類ができたので、受け取りに来るようにと電話があったので、カイムキの事務所まで行ってきました。会計士事務所も、今日の午後から休業となります。今月初めにイタリア旅行が中止になった時に、まとめて準備をしておいてよかったです。年に一度の大変な作業が終わってやれやれです。

買いだめをする習慣のない私は、迷っていたのですが、意を決してペットショップでねこの餌の大袋とトイレの砂を買いました。これだけは、なくなると困りますからね。その後、ドラッグストアにも行きましたが、混雑もなく普段通りにショッピングできました。

 

都市封鎖2日目:3月24日(火)

今日は、一日自宅で過ごしました。お昼には、仕事仲間が開催したZOOMでのオンライン・ランチに参加。彼らとはテキストやLINEで連絡を取り合っているので、いつもと変わらないと思っていたのですが、顔を見ながら話しをするのは、やはり違いますね。特に議題もなく、まるで職場のランチルームでランチしているかのように、好き勝手に話しをして約1時間で終了。

ZOOMは、手軽にみんなの顔を見ながら話せて、なかなかいいので、もしかしたらこれからはLINEグループに取って代わるかもしれませんね。ただ、やはり顔とデコルテあたりは見えるので、お化粧して髪型を整えて、シャツだけは着用が必要となります。(立ち上がらない限り、パンツの着用は任意です)自宅勤務だからと言って、スッピン、パジャマという訳にはいかないので、ご注意を。

 

都市封鎖3日目:3月25日(水) 感染者数:95人

今まで2日間はホノルルだけの都市封鎖でしたが、本日からはハワイ州全体での都市封鎖となりました。

昨日、パートナーからベトナムからホノルルへのフライトがやっと取れたと連絡がありました。やれやれと思っていたら、今朝はミャンマーに行っていた友人からもフライトが取れたとの連絡。二人とも金曜日の朝に帰ってくるので、ハワイに戻ると、14日間の強制隔離となります。これは、全米でもハワイ州だけが施行している行政命令です。この命令のために、ハワイの観光業は大打撃を受けていますが、人の命には代えられませんよね。

とりあえず、彼らの冷蔵庫用に食料品を買いにスーパーへ出かけました。大した混雑もありませんでしたが、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離=最低1.8メートルの人と人の間の距離)を考慮して、レジにはどこに立って並ぶかの定位置を定めるテープが床に貼ってありました。野菜売り場を歩いている時に喉がむず痒くなって、咳ではなく咳払いをしただけで、中年男性に睨まれて怖かったです。みんな結構ナーバスになっているようです。

お米を買いに日系のスーパーに行ったら、「お米は重量にかかわらず、一人一袋まで」というルールがあり、50lbs(約23キロ)にするか、4.4lbs(約2キロ)にするのか迷った挙句、4.4lbsにしました。この都市封鎖が、長く続かないことを願います。

新型コロナウイルスとフィレンツェと国籍

今、世界中が新型コロナウイルスで大変なことになっています。中国本土では昨年末から蔓延していたとも言われる新型コロナウイルスですが、私がその名前を聞いたのは、確か1月の半ばくらい。あの頃は、まだまだ人ごとだとばかり思っていました。

2002年から2003年にかけてのSARSはアジアを中心に広がり、日本入国時に少しピリピリとした緊張感を覚えましたが、それ以外には身近に感じることはありませんでした。そして、2014年に西アフリカで大流行したエボラ出血熱も、遠いアフリカのことと呑気にテレビで見ていました。

新型コロナウイルスは、徐々に日本や韓国にも拡散しましたが、まだまだ遠いアジアのこと。2月初めには、それまで計画していたフィレンツェ行きのエアチケットを購入し、Airbnbでドゥオモ近くに素敵なアパートを見つけて、着実に3月2日からの旅行の準備を進めていました。

そうこうしているうちに、中国武漢市に日本政府が邦人帰国のためにチャーター便を飛ばしたという記事を読みました。最初は、日本国籍保持者のみを日本へ連れ戻す措置を取っていたそうですが、その後日本国籍を保持しない配偶者や子供もチャーター便を利用できるようになったと聞いています。

こういう非常時には、国籍は本当に重要になります。私の知人がアメリカ国籍を取得した時に、「テロや戦争などの非常時、大使館に逃げ込む必要がある際に、子どもはアメリカ大使館、自分は日本大使館と別れ別れになるのは困るので、アメリカ国籍を取った」と言っていました。その時は、そんなテロとか戦争のある場所に、子ども連れで行くことなんてないでしょうと思っていたのですが、今回の新型コロナウイルスでは、非常時はテロや戦争だけではないということを痛感しました。

フィレンツェ旅行に備え、その後も除菌効果のあるハンドサニタイザーやウェットティッシュを準備したりしていたのですが、イタリアの新型コロナウイルス感染者は増えるばかりで、ジョンズ・ホプキンズ大学のリアルタイム集計データのサイト(https://bit.ly/2IknXPn)によると、今朝には1,128人に登っていました。

 

アメリカ合衆国国務省領事局のサイト(https://bit.ly/3ckzuM2)によると、イタリアはLevel 3(渡航を再検討してください)ですが、ミラノのあるロンバルディア州とベニスのあるヴェネト州はLevel 4(渡航しないでください)です。イタリアの中でも患者が出ているのは、ほとんど北部のロンバルディア州なのですが、フィレンツェのあるトスカーナ州はロンバルディア州のすぐ南で、既に11名の患者が出ています。

(https://bit.ly/38fn7Oa)

とはいうものの、Airbnbのオーナーからは、「マスコミを通じて聞いているほど実際はひどくないよ。イタリアの医療機関は安全だし、管理もしっかりしている。僕たちの生活はいつも通りだよ」という連絡がありました。もしかしたら、実際には大したことはないのかもしれません。

しかしながら、わざわざ火中の栗を拾いに行く必要もないとは思っています。新型コロナウイルスという病気自体も怖いですし、その病気をまだまだ発症者の少ないアメリカに持ち帰るのも恐ろしいことです。そしてまた、アメリカはアメリカ国民でない私を入国拒否する可能性もあるのです。実際に今朝、ペンス副大統領が「過去14日の間にイランに滞在したことのある外国人のアメリカへの入国を認めない」という発表をしました。つまり、同じことがイタリアにも適用されると、大変困った状況になることが予想されます。私は、現在居住しているアメリカに戻れず、日本に行くことになると思うのですが、そこには生活の基盤がありません。「外国人」が「永住権(グリーンカード)保持者」を含むのかどうかは議論の余地が残りますが、空港で係官に「ダメ!」と言われると、議論もなにもありませんよね。

というわけで、とりあえずフィレンツェ旅行は延期としました。そして、母が健在なうちは日本国籍を保持する予定でしたが、不慮の事態に備えて、そろそろアメリカ国籍の取得も考えた方がいいかもしれないと思い始めています。