100皿の効果 Paris.Hawaiiにて

ハワイ州ホノルル市ロックダウン(都市封鎖)108日目:7月8日(水)
感染者数:1,094人(前日比23人増) 

七夕の夜に再オープンしたParis.Hawaiiで食事をしました。入り口で体温測定があったり、キッチンとカウンター席の間にアクリル板が設置されたりと新型コロナウイルスの影響を感じながら席につきます。

テーブルに置かれたメニューを手に取ってみるのですが、食材の名前が並んでいるだけのメニューを見ても、どんな料理が出てくるのか全く見当がつきません。

メニューに「Asparagus: Asparagus Espuma / House Made Ricotta」と書かれた最初のお料理は、自家製のリコッタチーズの上にアスパラガスのエスプーマを重ね、オーブンでローストしたベーコンとさっと茹でて焼き付けたアスパラガスを散らせたもの。目にも優しい緑色、そしてアスパラの香りと味わいを十分に楽しむことができました。フワフワとした食感にベーコンのパンチが効いています。

「Oyster: Lava Rock Oyster / Paprika Puree」は、オアフ島クアロア牧場産のオイスターを使用。ココナッツの炭のベニエと一緒に揚げたオイスターをローストした赤ピーマンとパプリカのソースをつけて食べます。カキフライとは違った優しい食感と味わいに仕上がっています。黒いベニエを溶岩に、パプリカソースを溶岩流に見立てて、熱くした小石を周りに敷き詰め、かなりハワイ島を意識したプレゼンテーションです。

2年前のオープン時からメニューに登場している「Poke」ですが、今回は「Hawaiian Ahi / Beef Tartare / Black Garlic / Watercress / Tomato Géletine」となり、また少し進化したようです。ハワイ近海産マグロとキアヴェの木でいぶしたビーフタルタル、ガーリックのソースとトマトのゼリー、そしてハワイ産クレソン 。トマトの甘味と酸味が嬉しい一品です。ビーフタルタルがトマトのゼリーとよく合っています。

料理が進むうち、今夜のメニューと2年前のメニューの違いが気になりました。どの料理も前と同じようにハワイの食材を使用しているのですが、以前感じた気負いのようなものが感じられません。食材に立ち向かっていくのではなく、肩の力を抜いてハワイの食材を料理の中に自然に取り込めているのです。この変化はどこからきたのかしら、シェフの山中祐哉さんに何があったのかしら、そんなことを考えながらの食事でした。

「Coconut Shrimp: Coconut Crumble / House Made Cocktail Sauce」は、ハワイのガーリックシュリンプやココナッツシュリンプを意識した一品のようです。カウアイ産のジャンボシュリンプを真空調理し、ココナッツクッキーを砕き、酸味の効いた自家製カクテルソースと食用花のエジプシャン・スターフラワーが添えられています。

お魚は「Opah: Baby Manoa Romaine / Oyster Brine Foam」です。ハワイでよく食べる深海魚の赤マンボウを真空調理しているので、柔らかいジューシーな仕上がりです。ブール・ブランのソースとシーアスパラガス、そしてフォーム状のオイスターのブラインの塩分が淡白になりがちな赤マンボウの旨みを引き出しています。少し焼いたマノア・ベビー・ロメインレタスの焦げ味とニンニクの花のほのかなニンニクの香りがアクセントになっています。

ここで出てきたパンですが、外はパリッと、中はしっとりフワフワ。ハワイでは見当たらなかったパンです。シーアスパラガスの塩味が効いたバターはパンとの相性も抜群です。

二品目のシーフードは「Lobster: Lobster Consommé Soup / Kahuku Corn」です。ハワイ島コナから取り寄せたメインロブスターを真空調理し、グリルしたオアフ島カフク産のコーンをロブスターのコンソメでいただきます。残ったコンソメはパンと一緒に最後までしっかりといただきました。

シェフ山中流のロコモコは、「Loco Moco: Molokai Venison / Risotto / Browned Maui Onion / Egg Yolk Espuma」です。モロカイ産の鹿肉はしっかりとした味で、卵黄はエスプーマにしているので卵臭さがありません。(写真撮影に時間がかかってしまい、卵黄のエスプーマが少し流れた写真になってしまいました)

最後のお肉料理は、ニイハウ島産の羊肉かハワイ島の牛肉を選ぶことができましたので、もちろん羊肉を選びました。「Niihau Lamb / Taro Gnocci / Small Kine Garms Mushroom Duxelle」は、キアヴェの木を使ってグリルした羊肉がちょうどいい焼き加減。付け合わせにはタロのニョッキの揚げ物、デュクセル風ミニ・ポートベロマッシュルーム、そして赤ワインを煮詰めた赤ワインです。

デザートは、定番の「Kilauea Lava Cake」か新作の「Pineapple Koloa Rum Compote」ということでしたので、新しいデザートを選びました。パイナップルのシェイブアイスに焦げ目をつけて甘みを引き出したパイナップル、抹茶アイスクリームにココナッツクッキーを砕いてそぼろ状にしたものと、国境を超えたデザートです。パイナップルの酸味でさっぱりとしたデザートです。

2年前の秋にオープンしてから7つ目となるコースメニューですが、とてもバランスが取れたメニューになっていて、一緒に行った友人たちも「今までで一番いいメニューに仕上がっている」と絶賛していました。

食事後、山中シェフに外出自粛中のレストラン閉店の間に何をしていたかを尋ねましたら、週に一度は家でコースメニューを作っていたとのことでした。新たに試作した料理は100皿以上にもおよんだそうです。

今まで家では料理することもなかったそうですが、毎日自炊して家庭料理や保存食も作ったそうです。そして、料理本を読み返したり、調べ物をしたりしたそうです。

なるほど、毎晩レストランでお客様のために料理していると作れないような料理やレストランでは出さない料理を作っていた訳ですね。それも「週に一度のコースメニュー」と厳しいノルマを自分に課して。

シェフ本人が気付いているかどうかは不明ですが、外出自粛中に作った100皿の効果が既にしっかりとメニューに反映されているように思います。 これからは、バーカウンターで出したり、持ち帰り用に販売するサンドイッチなどの軽食、そして今晩のコースの中にもあったパンとシーアスパラガスのバターなどの販売も考えているとのこと。これからのニューノーマル時代のお店作りへの準備も着々と進んでいるようです。

料理中はもちろん普段から饒舌に客と話をするタイプではありませんが、こちらから質問すると的確な回答をしてくれる山中シェフは、外出自粛中に新しい発見や勉強もたくさんあったそうです。次への躍進が楽しみなシェフであり店であることは間違いないですね。  

 

パリハワイ Paris.Hawaii
住所:413 Seaside Avenue, 2F, Honolulu, HI 96815
電話番号:808-212-9282
URL: http://www.paris-hawaii.us
Instagram: https://www.instagram.com/paris.hawaii/
Facebook: https://www.facebook.com/Paris.Hawaii/
Twitter: https://twitter.com/parishawaii808

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