都市封鎖45日目:5月6日(水) 感染者数:626人(前日比1人増)
日本の健康保険制度は素晴らしいと思います。現在の制度では、すべての国民がなんらかの公的医療保険に加入している「国民皆保険制度」となっています。年金との紐付けが面倒だったり、いろいろなご意見もあるとは思いますが、金額も決してメチャクチャに高いものではありません。
自由意志を尊重するアメリカでは、国家が国民に健康保険加入を強制することはできないので、健康保険への加入は任意となります。ハワイ州の健康保険制度は「州民皆保険制度」とまではいきませんが、健康保険加入率は、アメリカの中でもかなり高い方です。週に20時間以上働く従業員に対しては、雇用者が健康保険を提供することが義務付けられています。雇用者は保険料の従業員負担割合を決めることがますが、その上限額も法律で決められています。
低所得者向けにはメディケアやクエストといった制度もありますが、扶養家族がいなかったり、そこそこの収入があると加入できません。
会社に所属せずに、個人で事業をしている人は、収入にもよりますが、政府から援助を受けることができるオバマケアを利用することができます。この制度は、その名の通り、前オバマ大統領が制定したものです。
ただ、どの保険も加入条件を満たしてから1ヶ月間は待機期間となっていたり、加入時期が決まっていたりするので、すぐに保険を利用することはできません。今回の新型コロナウイルス禍では、オバマケアは特別に加入時期でなくても加入できるようになっていました。
アメリカの健康保険料は、給付内容によっても違いますが、大体毎月$500〜$900程度のようです。これは、もちろん一人分の金額です。家族がいるとさらに増えます。まあ、毎月これだけの金額を払うとなると、家計に響きますよね。
今回、私は諸事情により、4月は健康保険がなく、5月はオバマケアを利用、6月からは雇用者が提供する健康保険を利用することになりました。4月に予定していた定期検診を5月に延ばし、オバマケアでは給付内容とならない検査をどうするかを主治医と相談しました。結局、お金と健康を引き換えにすることはできないとの判断で、検査費用は自己負担することになりました。同じくオバマケアでは給付内容とならない常用薬は、主治医からサンプルをもらって、なんとか6月までもちこたえることができそうです。

若い頃に日本からアメリカに渡って長年働いた人も、老後は日本に帰る人が大勢います。その一番の理由は、充実した日本の健康保険制度です。それほどアメリカの健康保険状況は非常に悪いのですが、まさか自分が、自分の健康を取るか、節約を取るかという判断をしなければいけない日がくるとは夢にも思いませんでした。私の場合、持病や常用薬と言っても、すぐに生死に関わるほどではないですし、検査費用もなんとか捻出できそうな金額で済みそうです。でも、アメリカには、健康保険がなくて膨大な医療費を支払うことをできないので、病院に行くことを躊躇している人がたくさんいるのかと思うと、自由意志の尊重と人間の生死はどちらが大切なのかと考えてしまいます。